いつも、がけっぷち 新刊「祈りの大地」

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新刊「祈りの大地」

4月は、「伊勢神宮 式年遷宮と祈り」(集英社)と「祈りの大地」(岩波書店)2冊の本を出版した。祈りの大地は、震災を軸に、自分のこれまで歩んできた半生と、世界の祈りを取材した現場の体験が同時進行しながら、震災が問いかけたもの、そしてその答えを探し求めた軌跡を綴ったノンフィクションだ。

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世界各地の祈りの取材で体験した出来事は、震災の現場で遭遇した現実、それに対峙する人々の姿と驚くほど通じるものがあった。いかに荒ぶる自然と向かい合い、いかに生きるかということがテーマなのだから、祈りということでは深いところで通底するのは考えてみれば当然のことかもしれない。

実は「祈りの大地」は、昨年、開高健ノンフィクション賞に応募した「第3の川」からさらに取材を重ね、加筆、編集したものだ。「第3の川」は、最終候補作には選ばれたものの結果的に賞を取るに至らなかった。

審査員の評を読みながら、共通の言葉として作者の「傲慢」さというのが指摘されたように感じられた。大川小をこのように捉えていいのか、震災と伊勢神宮が結び付けられていいのか、構成が見事すぎる、事実が構成に奉仕していないか、という批判が心に残った。そうした批判が起こるであろうことは、ある程度予想しており、反発も覚えたが、評者全員にそのことを指摘されてみると、やはり考え込まずにはいられなかった。人間は自然に対して傲慢であってはならない、と書きながら、自分自身が傲慢になっていないか...

祈りの大地blog


賞のことはもはやどうでも良かった。どうすれば自分の体験、考えを読者に違和感なく伝えられるのか。基い、自分の心の中に驕りはなかったか、内省し、もう一度原稿を吟味した。
このときから、本当の意味での「祈りの大地」執筆が始まったと言ってもいい。書くことは学ぶことなのだ。書きながら書き手も成長していくことができる。書くことの本当の意義はそこにあるのだろう。

そして昨年の暮れ、伊勢神宮の遷御の儀を迎えた。神道の根幹となる20年に一度の神宮の最も重要な儀式で、第3の川では非常に重要の結びの部分にかかる話だ。第3の川では、20年前の遷御の儀の体験を記したが、今回はリアルタイムとなった。

さまざまな思いとともに迎えた遷御の儀だが、20年の時を経て取材すると、新たに見えてくる大きなものがあった、そしてその取材体験を通し、神道の本書における位置づけも自然に大きく変化していった。
さらに今年3月にかけての被災地取材....

「祈りの大地」には帯に「渾身」という文字が入っているが、文字通り、渾身の一作となった。出版された今、その評価は読者の手に委ねられた。「第3の川」よりかなり深い作品になったと思う。
まだまだ至らないところだらけかもしれないが、自分としては久しぶりにやりきったという本になった。こういう感覚は「鯨人」以来だ。


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(2014/04/23)
石川 梵

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なるほど、そういう梵さんの想いもあったのですね。まだ読み途中ですが、そういう傲慢さは感じられませんでした。ただ、色々と考えさせられることは確かです。

Re: タイトルなし

ありがとうございます。考えていただくことが一番の目的でもあるのでうれしいです。
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lamafa

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写真家 石川梵


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ライフワーク、大自然と人間の共生をテーマに二つの目線から撮影を続ける。
1、地球46億年の歴史を、空から撮る。
2、祈りを通して、人間の内面世界を露わにする。

これまで講談社出版文化賞、日本写真協会作家賞,同新人賞他、受賞多数。
 Life, Paris Match, Geo、National Geographic など海外のメディアでもフォトストーリィを発表
著書に「祈りの大地」(岩波書店)「伊勢神宮 式年遷宮と祈り」(集英社)「 鯨人(くじらびと)」集英社新書 
写真集 「The Days After 東日本大震災の記憶」飛鳥新社「伊勢神宮、遷宮とその秘儀」 朝日新聞社
 「海人」新潮社
フォトエッセイに 「時の海・人の大地」 魁星出版、「フリスビー犬、被災地を行く」飛鳥新社がある。

東京都町田市在住 大分県出身
日本写真家協会会員

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Twitter bonlamafa

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