いつも、がけっぷち 読売新聞、今年、最も心躍る一冊

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読売新聞、今年、最も心躍る一冊

12月26日付けの読売新聞で下のような記事が出ていた。
三浦さんは読売新聞で今年、多くの書評を書いてきた。
今年、最も印象的な本として次の3冊を取り上げていた。
光栄なことに私の「鯨人」もその一冊に入っていた。




三浦佑之(古代文学研究者・立正大教授)

(1)『首輪をはずすとき』 丸山健二著

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(2)『鉄は魔法つかい』 畠山重篤著

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(3)『鯨人』 石川梵著


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 (1) 震災以降を生きのびるには、おのれを鍛え上げ自立の精神を育て上げるしかないと説く(1)は、わが怠惰な心と肉体にぐさりと突き刺さる。3・11以後に出た本でもっともはげしく共感した一冊。(駿河台出版社、952円)

 (2)は、カキ養殖のために山を育てる漁師さんの一冊。はやく豊かな気仙沼の海が戻りますように。(小学館、1300円)

 (3)は、書評した本の中で最高に心躍らせた一冊。ここに描かれている平穏な日常が地球のどこかに残り続けてほしい、心からそう願った一年。(集英社新書、780円)
(2011年12月26日 読売新聞)


当該の鯨人に関する読売の書評は続きからどうぞ。


太古さながら神聖な戦い

 久しぶりに、ページを繰るのももどかしいという胸躍る読書を体験した。滅法おもしろく、読後には切なさを噛(か)みしめたくなる本だ。

 理由は二つ。一つは題材。現地語でイカンパウス(鯨の王様)と称えられるマッコウクジラの背中をめがけ、銛(もり)を挟んだ長い竹竿(たけざお)を振り上げた男が突撃する、にわかには信じられない太古さながらの鯨漁を追い続けたドキュメンタリーである。とにかく迫力満点だ。

 舞台は、インドネシアのバリ島からいくつもの島を東に渡った先にあるレンバタ島のラマレラという小さな漁村。手作りの手漕(こ)ぎ帆船プレダンに乗り、村の前に広がる大海原に漕ぎ出した10人ほどのマトロス(乗組員)とラマファ(銛打ち)とが、心を一つにして巨鯨と対峙(たいじ)する。それは人と神との神聖な戦いであり、村人の生活を支える日常でもある。しかし、獲れるのは平均して年に10頭ほど。当然、村は貧しい。

 本書のもう一つの魅力は、写真家・石川梵氏の信じがたい執念であり、ラマレラの人々とマッコウクジラとに向けられた求道者のごとき崇高な眼差しである。浮かびあがるのは、死に向かって懸命に生きる人々と鯨たちの姿だ。

 ラマファが鯨を仕留める瞬間を撮るのに、4年もの歳月を要した。その労苦が報われて国内外で名声を得ながら、著者が凄(すご)いのは、その後3年をかけて、殺される「鯨の心」をファインダー越しに求め続けたことである。その心とは何か、ぜひ本文を読んでほしい。

 最後には、2010年に13年ぶりに訪れた村の様子も記され、それが切なさをより深く刻み込む。当然だが村は変貌し、ここにまで捕鯨反対運動の活動家が入り、若者には携帯電話も普及する。それら押し寄せる現代は、世代間ギャップも連れていた。

 ◇いしかわ・ぼん=1960年生まれ。AFP通信社を経てフリーに。内外の主要誌で作品を発表している。

 集英社新書 780円
(2011年4月4日 読売新聞)
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ライフワーク、大自然と人間の共生をテーマに二つの目線から撮影を続ける。
1、地球46億年の歴史を、空から撮る。
2、祈りを通して、人間の内面世界を露わにする。

これまで講談社出版文化賞、日本写真協会作家賞,同新人賞他、受賞多数。
 Life, Paris Match, Geo、National Geographic など海外のメディアでもフォトストーリィを発表
著書に「祈りの大地」(岩波書店)「伊勢神宮 式年遷宮と祈り」(集英社)「 鯨人(くじらびと)」集英社新書 
写真集 「The Days After 東日本大震災の記憶」飛鳥新社「伊勢神宮、遷宮とその秘儀」 朝日新聞社
 「海人」新潮社
フォトエッセイに 「時の海・人の大地」 魁星出版、「フリスビー犬、被災地を行く」飛鳥新社がある。

東京都町田市在住 大分県出身
日本写真家協会会員

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